学級崩壊を起こさない学級経営の7つコツ ~その5  ~良い子と悪い子編~

学級経営シリーズ

良い子と悪い子の違い

良い子と悪い子。

意外とこの2つのくくりをつくっていないでしょうか。

そして、先生が「悪い子」と区別した子はずっと悪い子のまま。

クラスの厄介者になっていないでしょうか。

その「悪い子」ですが、子供に「悪い子」はいません。

なぜなら、子供に良い子も悪い子もないからです。

みんな、み~んな良い子であり悪い子であります。

ただし、「良い時」と「悪い時」があるのは事実です。

「良い子」とは「良い時」が多い子。

「悪い子」とは「悪い時」が多い子。

そして

「良い子」とは「他人に迷惑をかける回数が少ない子」

「悪い子」とは「他人に迷惑をかける回数が多い子」

つまり、「良い子」と「悪い子」があるとすれば、その基準が「他人に迷惑をかけるか否か」

つまり「社会性」の問題となります。

「悪い時が多い子」=「社会性が低い子」

ここからは「悪い子」は、「悪い時が多い子」と定義して話をします。

そして「悪い子」とは、「周りに合わせることが苦手」「自分の思い通りに行かないと怒る」「先生の

言うことを聞かない」など。

いわゆる「社会性が低い子」です。

この社会性の低さの原因あるいは、複数理由があるとすればその要因をきちんと捉えることが大切です。

社会性が低い要因

(1)性差や発達段階(成長段階)

社会性は、男女で見ると女性の方が早く身につくようです。それは、女性の方が自己調整力が男性に比

べて早く身につくことと関係しているようです。

思い出してみると、小学校でも中学校でも、女子が同学年に「男子は子どもっぽい。」と言って嫌った

りする傾向にありますが、これは正に、女性の方が自己調整力が早くに身につき、女子は落ち着いた学

校生活を送ることができるのに対し、男子はまだ自己調整力が未熟なため、やりたいことをやり、そし

てやるべきことをやらずに先生に怒られるてしまうということとつながります。

そしてこの自己調整力ですが、家や学校で大人に指導されることにより年齢と共についていきます。

だからある程度の年齢に達すると、たいていの場合、落ち着きます。

昔、やんちゃしていた男の子が久しぶりにあって随分落ち着いているとしたら、それは、年齢を重ねた

ことによって、発達段階として社会性が身に付いたからといえます。

(2)個人差や特性

とはいえ、女性でも、社会性が身につくのが遅いケースもありますし、男性でも社会性が身につくのが

早いケースがあります。これは単純に個人差です。

問題なのは、「社会性の低さ」が個人の「特性」による場合です。

子どもの特性を理解する

「人間は一人一人に「特性」があります。

(1)白いご飯は大好きだが、味付きのごはんは苦手。

(2)模写は得意だが、自分で想像して絵を描くことが苦手。

(3)走ることは得意だが、ボールを使うことが苦手。

(4)電車の本は何時間でも読めるが、小説は1分で寝てしまう

(5)友達と外で何時間でも遊べるが、教室でおとなしくすわることが苦手 など。

この特性は、実は「わがまま」ではなく、その人がもっている「特性」のため、簡単に直すことはでき

ません。そして、この「特性」は「強さ」があり、この「特性が強い」場合、生きにくくなることが多

いです。

例に挙げた(1)~(5)の中で、特性が強くて生きづらくなってしまう子は何番か。

もうお気づきかと思いますが、(5)の子どもです。

(5)の子供にとって、教室でおとなしく座っていることは、その子の苦手な特性です。

特性の苦手は、他の人よりものすご~く努力しないと直すことができません。

だから、(5)の子供にとっては1分座っている努力は、他の子の45分座っている努力と同じくらい

しんどいのです。

そして(5)の子は、特性によって落ち着けないにも関わらず1分しかおとなしくしていることができ

ないので、しょっちゅう先生から注意を受けて「悪い時が多い子=悪い子」となってしまうのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

担任が「悪い子」ではなく「悪い時がある子」と認識をする

これだけで全然違います。

なぜなら「悪い子」は人間性の否定になりますが、「悪い時がある子」は、人間性の否定にはならない

からです。

そして、担任は「悪い時がある」ように「良い時がある」ので、そこを見逃してはいけません。

ここは大事なところなので、もう一度お伝えします。

子どもに「悪い子」はいません。

もし、「悪い子」が存在するのであれば、その「悪い子」」は担任が作り出したものです。

子どもは、色々な生活環境とそれぞれの特性をもって生活しています。

悪いことが目立つから悪い子になってしまうのです。

これは、「本人は望んでいません。」

だからこそ、担任は、社会性の低い子が「悪い子」にならないように気を付けなくてはいけません。

学級崩壊が怒るのは、たいてい担任が「悪い子」認定している子がきっかけです。

でも、それは違うのです。

悪い子の認定をしているのは担任です。

どんな子でもよい時と悪い時がある。

それはアンバランスである。

それを担任が理解して対応できるようになれば、学級崩壊は起こりません。

もし、今、学級崩壊が起こりそうなクラスがあれば

それは、まず担任の先生にふりかえってもらいたいです。

そのクラスに悪い子はいないでしょうか。

その認識を改めることが学級崩壊を防ぐ第1歩かもしれません。

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